遊民サナトリウム

サークル「遊民サナトリウム」の告知メインブログ。

きんいろモザイク舞台探訪本を振り返る

珍しく告知以外の更新です。
今年のGWにまたイギリスに行くことになりました。それを機に、これまでいろんな人が発行してきたきんモザの舞台探訪本を読み直していたのですが、どの本もその人独自の視点や思い入れの強さが見られるんですよね。イギリスの舞台探訪を取り上げた本がコンスタントにコミケで現れることからも、きんモザという作品は愛されてるなあと実感します。
今回はそんなきんモザイギリス舞台探訪本の歴史と言ったらおおげさですが、過去にどんな本があったのかを取り上げてみたいと思います。



①「きんいろモザイク」の舞台 イギリス舞台探訪ガイド

サークル:あずきスパ 様
発行:2013年12月31日(コミックマーケット85)

きんモザ1期の放送時期が2013年7月に対し、この本が発行されたのは同年12月。早すぎる……。
きんモザイギリス舞台探訪本の先駆けと言えるこの本は、表紙込みで12ページと分量は少なめですが、フルカラーで主要な箇所がきちんと網羅されており、加えて公共交通機関やアクセス情報、レンタカーなどの情報が一通り揃っています。放送後間もなく舞台探訪を行い、これだけの情報量を含む本を出すまで半年かかっていないと考えると、驚異的なまでの行動力としか言いようがありません。同人ショップ等の委託販売が無かったと認識しておりますが、即売会のみの頒布が非常に勿体無いと感じさせられる作品です。


きんいろモザイク聖地巡礼ガイド アリスの故郷を訪ねて

サークル:おふとんぱらだいす。 様
発行:2014年8月15日(コミックマーケット86)

C85に続き、C86で発行されたのがこの「おふとんぱらだいす。」様の本です。
手にとってすぐ分かりますが、本の装丁が素晴らしい。表紙だけでなく本文をも際立たせる装飾物の使い方、そして本の手触りの良さもあいまって、とても同人誌とは思えない高級感が伝わってきます。そして内容も表紙込みで54ページとボリュームたっぷりで、舞台探訪だけにとどまらず、作品考察まで含まれています。前者は、地図や現地までの行き方など、イギリス舞台探訪における不安を取り除くには十分すぎるクオリティですし、後者は他作品との比較が充実しており、どの点をとっても勉強になりました。
余談ですが、弊サークルが舞台探訪本を製作するにあたって参考にさせていただいたのはもちろんのこと、内容が充実しすぎてる分、どうやって差別化を図るかといった点でかなり頭を悩ませられた一冊です……。


③PonaColle in Europe 2016

サークル:the Ponasons 様
発行:2016年12月30日(コミックマーケット91)

「the Ponasons」様の本では何回かきんモザのイギリス舞台が取り上げられていますが、ボリュームの多さからこの直近の本を取り上げます。
同人誌では珍しくA4の大きめのフルカラー本であり、充実した中身もあいまって何かのパンフレットと勘違いしてしまうこと請け合いです。巷に溢れている舞台探訪本は、作中のアングルそのままに舞台の写真を収めているものが大多数ですが、この本は舞台の背景をバックに自作SDキャラに焦点を当てた写真『ぽなこれ』をメインにしている点で他作品とは一線を画しています。絵が描ける人は、それだけで作品に強みを持たせられるので羨ましい限りです。この本の真の恐ろしさは、舞台だけでなく料理の写真も充実しており、現地への渡航欲を多角的に攻めてくるところですね……。


④Kin-iro Travel ―きんモザ聖地巡礼の手引き―

サークル:金髪翼賛会 様
発行:2016年12月30日(コミックマーケット91)

舞台探訪本の前はこけしを頒布するなど、意欲的な活動を見せる「金髪翼賛会」様。(なんど見てもすごいサークル名ですね……)
表紙込みでフルカラー52ページ。イギリスだけでなく、原作の修学旅行編で描かれた舞台や、映画『きんいろモザイクPretty Days』の舞台まで押さえています。今現在きんモザの舞台に関して情報量が最も多い本でしょう。イギリスパートでは公共交通機関の情報が充実しており、バスの時刻表まで掲載されているほどの徹底ぶり。運転ができなくてもイギリス舞台探訪は可能であることを確信させてくれます。あとがきに触れられておりますが、もう二度と見ることができない舞台が着実に増えています。思い立ったが吉日、ここで紹介している本を頼りにして実際に足を運んでみてください。
実は参考文献の欄に、弊サークルの舞台探訪本がある(しかもトップ)ことに最近気づきました……。遅れ馳せながら御礼申し上げます。


⑤きんいろドライブ ~英国レンタカーのススメ~

サークル:クランドゥイユ 様
発行:2016年12月30日(コミックマーケット91)

最後はいつもお世話になっている、サークル「クランドゥイユ」様のフルカラー舞台探訪本です。
漫画が描ける強みを生かしつつ、イギリスでの運転事情に特化した本に仕上がっています。イギリスの舞台であるコッツウォルズ地方は交通の便が悪く、車での移動が一番便利ですので、その点で待望の一冊と言えます。上で取り上げた本でもレンタカーついて触れられている本はありますが、この本は現地の運転マナーや道路標識などにも触れられており、車に関しての情報量は他の追随を許していません。それでいて車だけでなく、公共交通機関にも言及がなされている点には感服しました。随所に挟まれる漫画も見応えがあり、楽しく読めること間違いなしです。あとがきで弊サークルの舞台探訪本にお褒めの言葉をいただいておりますが、とても恐れ多いくらい……。




以上5冊、①以外は委託等のネット販売がある(あった)本になります。
コピー本を含めるとさらに数が増えるのですが、残念ながら現地で手に取ることができず取り上げられませんでした。お許しください!

手前味噌ですが、弊サークル発行『モザイクかけら ~きんいろモザイク舞台探訪記~』宣伝振り返りを少々。
発行時期は2015年8月(C88)で、イギリス舞台探訪としては3冊目の本(多分)になります。カラーでガイド本という①と②のいいとこ取りを目指し、私が初めての海外旅行だったという点を生かしながら、製作に取り組んでいました。
私の本文はともかく、いつも本の製作を手伝ってくれているあもくんのおかげで、レイアウトも写真もすごく見やすい本になったと自負しています。あと忘れてはならないのは表紙絵ですね。もはや今ではおなじみ、⑤の本を発行したサークル「クランドゥイユ」の時止ざまおさんに初めて表紙絵を描き下ろしていただきました。この本は未だにコミケでの初動頒布数が過去最高なのですが、間違いなくこのお二方のお力がなければここまで多くの人に手にとっていただけることはなかったでしょう。
そんな『モザイクかけら』はまだCOMIC ZINさんでは取り扱ってるので、今回の記事で気になられた方は是非是非よろしくお願いします!
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最後に、新刊・既刊で書いた考察のフリー公開も引き続きやっとりますので、1分もかからないアンケートに答えて読んでやってくださると嬉しく思います。
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